作品情報
1960年アメリカ。上映時間109分。
ジャンル:サイコサスペンス系スリラー
脚本:ジョセフ・ステファノ
原作:ロバート・ブロック「サイコ」
出演者:アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、他
あらすじ
主人公は地元の不動産会社に勤める女性、マリオン。彼女は恋人のサムと結婚したがっていたが、経済的な理由から断られていた。サムとの情事を終え、仕事場に戻った彼女はお客が払った4万ドルを銀行に運ぶことになる。
「このお金があればサムと結婚出来るのでは?」と考えた彼女は彼の元へと車を走らせた。日が沈み、大雨に襲われた彼女は廃れたモーテルに宿泊するが…。
監督を知れば、映画が倍楽しくなる!?
作品名を知らなくても「シャワーを浴びている美女が殺されるシーン」を知っている人は多いはず。バスタブを流れる血はチョコレート・ソース、体を刺す音はナイフでメロンを刺す音などなど、ネットには「サイコ」のトリビアが溢れかえっている。
トリビアや小ネタは映画好きの同志に任せ、この記事では監督に焦点を当てていく。
好物を我慢出来ない!
「サスペンスの神様」と呼ばれるアルフレッド・ヒッチコック監督は作風からは想像出来ないほど、チャーミングな性格の持ち主。
大好物であったスフレも作っている間に我慢ができなくなって途中でオーブンの扉を開けてしまうので、中が見える窓のついたオーブンを購入するまでスフレを作るのを禁止している。(引用:「アルフレッド・ヒッチコック」Wikipedia日本語版・2021年1月23日 (土) 08:03 UTC)
「オーブンうんぬんじゃなくて、まず我慢を覚えて!」と注意する奥様の声が聞こえてきそうなエピソード。スフレの他に鶏肉が好きで「だから『鳥(1963年)』を作ったのではないか」と妻のアルマ夫人は推測している。
子供の頃は非常にやんちゃな性格で、父親に留置所へ入れられた経験がある。その恐怖体験がサスペンスに傾倒するきっかけになったと監督は語っている。が、このエピソードは監督以外の証言がないため、脚色の可能性が高いとのこと。どちらにせよ、監督が反省していないのは間違い。
他にも監督はサスペンス映画を撮っていながら、予期出来ない出来事が大嫌いだったらしい。いたずらをするのは好きだけれど、されるのは嫌い的なことだろうか。スフレといい、脚色といい、まるで子供だ。
監督を探せ!
監督はカメオ出演することでも有名。(カメオ出演:監督や原作者などが映画や舞台、ドラマなどに短い時間出演すること)元々は予算がないため、仕方なく出演していた。次第にファンの間で「監督探し」が恒例になり、後年は映画に集中出来るよう冒頭に出演するようになっていったという。
監督のサービス精神の高さに感心しつつ、「そこまでするなら出演をやめればいいんじゃないか?」と思わないでもない。
もちろん、監督は今作でもカメオ出演している。監督探しの楽しみを奪いたくないので、どのシーンに出演しているかはここでは書かない。「いやいや、そう言わずに…」と聞き分けの悪い方にヒントを。
「不動産」
あとは自力でお願いします。
アルフレッド・ヒッチコック:プロフィール
本名:アルフレッド・ジョゼフ・ヒッチコック(1899年8月13日~1980年4月29日、80歳没)
出身地:イングランド、ロンドン
別名:サスペンスの神様
デビュー作:快楽の園(1925年)
代表作:サイコ(1960年)
監督をもっと知りたくなった方へ
監督に興味が湧いた方にお勧めしたい映画を紹介する。
2012年に公開された映画「ヒッチコック」。「サイコ」の裏側を描いた作品で、主役のヒッチコックを「羊たちの沈黙(1991年)」で精神病質のハンニバル・レクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスが、妻のアルマをアカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンが演じている。