ゆずのはたけ

ネタバレには十分注意なさってね。

「ユージュアル・サスぺクツ」~疑うからこそ騙される~

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出典:「Pexels

作品情報

1995年アメリカ 上映時間106分

ジャンル:サスペンス

監督:ブライアン・シンガー

脚本:クリストファー・マッカリー

出演者:ガブリエル・バーンケヴィン・スペイシー、スティーヴン・ボールドウィン 他

あらすじ

 カリフォルニア州、サンペドロ港で麻薬密輸船が爆発し、多数の犠牲者と大量のコカイン、9100万ドルが消えた。マフィア同士の抗争だと思われていたが、5人のユージュアル・サスペクツ(常連の容疑者)が関係していたことが発覚。

 裏に何かあると感じた関税局捜査官クイヤンは、唯一、無傷で生き残った、詐欺師キントに尋問する。

 5人の出会いは密輸船爆発事件が起こる6週間前、ニューヨークの警察署。証拠不十分で釈放されるが、彼らが集められたのはただ偶然ではなかった。

見どころ

 終始、緊張の糸が緩まない見事なストーリー展開、芸達者な演者達、この映画は見どころが多すぎて紹介に困ってしまう。個人的に推理しながらストーリーを追うことがサスペンス映画の醍醐味だと思っている。

 今回はなるべくネタバレなしで、映画の見どころを紹介する。

何重にも張り巡らされた罠

 ストーリーは主にキントの回想で進んでいく。回想と現実が交互に映し出され、どこまでが現実なのか分からなくなるが、ありとあらゆる場所に伏線が敷かれている。ネタバレになるので、ここには書かない。

 細部まできちんと観ていれば、真相にたどり着けるはずだ。分からなければ、伏線回収に再視聴しよう。

オープニングはNGテイク

「ユージュアル・サスぺスク」で印象的なシーンはパッケージにも採用されているオープニングだ。個性的な悪の5人が一列に並べられ、朗らかに面通しを受けている。

 本編を観れば分かるが、このシーンは大きな矛盾を抱えている。彼らは一歩間違えれば、命を失う危険な世界の住人であり、朗らかに笑うことはない。

 実はこのシーン、12テイク撮った中のNGテイクだ。当初、監督はこのシーンをシリアスに撮る予定だったらしい。

 フェンスターの変な英語はアドリブで、「もう一度言え」と注意しているのは監督本人。そのやり取りがおかしかったのか、みんな半ば素で笑いをこらえている。

 本編からは想像できないほど、平和なシーンだ。

原作はアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」?

 今作はアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」を基に脚本が書かれたと言われている。

 アクドロイド殺しは1926年に発表された長編推理小説エルキュール・ポアロ・シリーズの3作目にあたり、彼女の6作目の長編作でもある。

 次の項にも書いているが、特殊な書き方だったため、ユージュアル・サスぺスクと同様、フェア・アンフェア論争が繰り広げられたようだ。

映画として認められない?

 小説家やコラムニストなど、多彩なジャンルで活躍している小林信彦は映画の約束事として、「実写場面は真実でなければならない」としており、ユージュアル・サスペクツを「認められない」としている。

 詳しい情報が手元にないので、反論は控える。ただ私はこの映画がとても楽しめたし、より映画が好きになったとだけ、書き残しておく。